平屋を建てるか、2階建てを建てるか、悩んでいませんか?
どちらの家を建てるかによって、生活スタイルは大きく変わることは間違いありません。
悩まれている方は、まずは平屋のメリットとデメリットを理解することが重要です。
この記事は、住友林業で平屋を建てるまでに学んだ知識をもとに、
これから家づくりを始める人が抱える悩みを解決できることを目的に書いています。
平屋とは?
平屋とは、1階部分のみの建物のことです。
一般的な平屋住宅の場合、階段がなく、リビングやキッチン、浴室や洗面室、主寝室や子ども部屋などの個室が、すべてワンフロアにある住まいを指します。
平屋のメリット6選とデメリット5選をまとめました。
平屋のメリット6選
生活動線や家事動線が効率的
平屋は、階段の上下移動がなく、平行移動だけで家事や生活ができるので、効率のよい動線計画が立てやすくなります。
洗濯や掃除、片付けなどの家事動線は2階建てと比べると上下移動も不要となり、より効率的になります。
たとえば1階で洗濯をして2階のベランダに干し、1階のクローゼットに収納する…なんてことにはなりません。
2階の掃除のために掃除機を運ぶことも不要です。
水まわりや部屋ごとの距離が近い間取りにすれば、生活動線もコンパクトにできるでしょう。
間取りを考えるときにも、平面移動だけなので効率的な間取りを考えやすいです。
家族とコミュニケーションがとりやすい
子育て世帯にとって平屋は子どもの気配を感じやすく、コミュニケーションがとりやすいところも大きなメリットです。
別の部屋にいたとしても、部屋と部屋の距離が近いのでお互いの気配を感じやすくなります。
小さい子どもがいても、親の目が届くところで遊ばせることができ、階段からの転落事故も防げます。
また、各部屋へ行くのにリビングを通る間取りにすることもでき、家族が自然と顔を合わせる機会が増えます。
子どもが成長して自分の部屋を持つようになっても、リビング中心の間取りにすれば自然と顔を合わせる機会が増え、子どもとのすれ違いを防ぐ効果も平屋のメリットだといえます。
間取りの自由度が高い
平屋は、2階を支えるための壁や柱も不要な分、間取りが自由度も高いです。
2階部分がないため自由に天井の高さが設定でき、屋根の形状に合わせて外観デザインの自由度も高まります。
例えば、「スキップフロア」「屋根裏」といった遊び心のある間取りを作ることも可能です。
また、柱や壁が少ない広々とした空間や大きな開口部をつくりやすく、LDKを広いワンフロアにしたりと、平屋ならではのゆったりとした間取りが可能となります。
地震の揺れや風に強い
平屋は2階がなく高さが低いため構造的に安定し、耐震性がアップします。
さらに、2階建てに比べて建物自体が低く面積が広いことで風の影響を受けにくくなります。
台風の通り道となる沖縄地方では、寄棟作りの平屋が多いことからも、平屋が風に強いことがわかります。
メンテナンス費用や光熱費を抑えやすい
入居後、住宅のメンテナンスが定期的に必要です。
メンテナンスの中でも高額になりやすい屋根や外壁修繕費は、2階部分がないので大がかりな足場を組む必要がなく、2階建てと比べてメンテナンス費用を抑えられる傾向があります。
また、1階だけで完結するため、冷暖房の効率が良いのも嬉しいポイントです。
2階建てのように暖かい空気が2階に上がることもないので、1階が寒くなってしまうことも防げます。
階段がなくバリアフリー
平屋は階段がないので、小さな子どもや高齢者に優しいバリアフリーな住まいといえます。
「階段からの転落」は、家庭内でよく起こる事故のひとつなので、平屋の家なら安心です。
また、「2階に上がるのが億劫だし危ない」という理由から、2階が物置になっている高齢者の方もいるそうです。
子どもや高齢者がいない家庭でも、自分たちの今後の暮らしを考えて平屋を選択する人が増えているようです。
平屋のデメリット5選
広い敷地が必要
広い平屋を建てようと思ったら、それだけ広い敷地が必要となります。
2階建てと同じ延床面積の家を建てるなら、単純に2倍の広さの敷地が必要です。
例えば、延床面積80坪の家を建てたいなら、80坪以上に土地が広くなければ、平屋は建てられません。
2階建てなら1階40坪、2階40坪といったように延床面積80坪の家が建てられるので、80坪も土地は必要ないということになります。
また、土地が広ければ広いほど固定資産税が高くなり、基礎部分の多い家は資産価値が高いとみなされます。
建築費用が高くなりやすい
平屋は、同じ延床面積の2階建てに比べて建築費用が高くなります。
2階建てと同じ延床面積の家で比較すると、平屋は平面上2倍の広さになります。
そのため、工事単価の高い基礎と屋根の面積が2倍になるので、その分工事費が高くなり、坪単価は2階建てよりも高くなる傾向にあります。
一方で、基礎部分が多いというのは、建物の構造が安定していて耐震性に優れているということでもあります。
日当たりや風通しが悪くなる可能性あり
部屋数が多くなると、中心部分にある部屋は日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。
また、平屋は低いので、周辺環境の影響も受けやすいです。
周りに住宅が多い土地に平屋を建てる場合、周囲が2階建てばかりだと、日当たりや風通しが悪くなることがあります。
天窓の設置や、中庭を中心に「コの字型」や「L字型」の建物にするなど設計上の工夫が必要です。
中庭を作ることで、自然光で部屋が明るくなったり、開放的になったり、風通しがよくなったりします。
平屋は屋根の面積が広いので、太陽光パネルを搭載する家庭も多いです。
建てる場所をしっかり考慮しないと、日が当たらず思うように発電できないこともあります。
太陽光パネルを搭載する場合は、設置する方角や角度をハウスメーカーに相談することが重要です。
平屋は建物が低い分、パネルの反射で近隣トラブルになるケースもあるので注意が必要です。
浸水で家全体が水浸しのリスク有
豪雨や河川の氾濫による浸水のリスクは、2階建てに比べて高くなります。
平屋の場合、床上浸水したら家全体が水浸しになってしまい、上階に逃げることができません。
そのため、水害が起こるかもしれないエリアでの建築は避けることが重要です。
ハザードマップで浸水しない地域かどうかしっかり確認し、できるだけ高所を選ぶなど、水が家屋に流れ込んでくるリスクを減らす工夫が必要です。
プライバシーや防犯面に配慮が必要
1階のみの平屋は、道路や隣家からの視線が届きやすく、プライバシーが守りにくいです。
リビングは道路から離れた場所に配置する、塀や庭などに目隠しを作るなど間取りの工夫をすることが重要です。
加えて、外部から侵入されやすいので、防犯面の配慮も必要です。
防犯カメラや人感センサー付きライトを設置する、踏むと音の出る砂利を敷くなど対策をとることが重要です。
まとめ
- 生活動線や家事動線が効率的
- 家族とのコミュニケーションがとりやすい
- 間取りの自由度が高い
- 地震の揺れや風に強い
- メンテナンス費用や光熱費を抑えやすい
- 階段がなくバリアフリー
- 広い敷地が必要
- 建築費用が高くなりやすい
- 日当たりや風通しが悪くなる可能性あり
- 浸水で家全体が水浸しになるリスク有
- プライバシーや防犯面に配慮が必要
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